みかん・柑橘の種類、栽培、病害虫などの用語集です。 

 【あ】 【か】 【さ】 【た】 【な】 【は】 【ま】 【や】 【ら】 【わ】
 項  目 説  明  区分 

【か】

   
改植 (かいしょく) 畑で栽培している木をすべて伐採し、あたらしく苗木を植え替えることを「改植」といいます。
古くなった老木を切って、苗木に植え替えたり、別の品種の木に植え替えたりするのが目的です。
 
栽培
かいよう病 葉、緑枝、果実に、数mm程度の褐色の斑点が着く病気です。
やがてコルク状の病斑となり、果実に着くと商品価値が著しく低下します。
葉の病状がひどくなると、落葉します。
エカキムシ(ミカンハモグリガ)の食入跡や風傷などから菌が入り、感染します。
防除には、ICボルドーなどが用いられます。

病害虫
隔年結果 (かくねんけっか) 1年ごとに、豊作と不作の年が繰り返される現象。
豊作の年は「表年(おもてどし」、不作の年は「裏年(うらどし)」と呼ばれます。
剪定(せんてい)や敵蕾(てきらい)、摘果(てっか)作業により、隔年結果を無くそうと各農家は作業に励みますが、なかなか改善しないのが現状です。
【反対語 : 連年結果】

栽培
果硬枝 (かこうし)  みかんの果実がなっている軸の部分です。
または、果実を収穫して残った軸の部分をいいます。
みかんを収穫した果硬枝からは、翌年は新芽が出て、そのまた翌年に果実がなるといわれています。 

栽培
カタツムリ でんでん虫のことです。
みかんの皮をかじって食べるので、商品価値がなくなります。
防除には、ラービンフロアブルなどが効果的です。

病害虫
褐色腐敗病 (かっしょくふはいびょう) 木になっている果実が、次々と腐って落果してしまい、それが畑全体に感染が広まるという、恐ろしい病気です。
柑橘では、真夏を過ぎて、水温が少し下がってきた頃に防除や潅水などでかける水が汚れていると発生しやすいと言われています。
このころに使用する水は、井戸水や農業用水そのままではなく、カルキなどの殺菌剤を水に入れてから使用します。

病害虫
カネタタキ 数mm程度の小さい、コオロギの仲間です。
薄い褐色または灰色です。
果実の皮を食害するので、果実の商品価値が著しく低下します。
防除には、スミチオンなどが使用されます。

病害虫
カメムシ 夏になると街灯に集まる、くさい臭いを放つ昆虫です。
柑橘の畑では、台風の後などに大発生することが多いようです。
もう少しで収穫をむかえる果実に、針の様な口を差し込んで吸汁し、
果実はそこから腐敗します。
カメムシが発生すると、その木の果実は1〜2日で、ほぼ全滅しますので、その防除時期には注意が必要です。

病害虫
カラマンダリン 温州みかんほどの大きさで、5月に食べ頃になる柑橘です。
日本では昭和30年頃から栽培が始まったようですが、今でも栽培量は少なく、スーパー等ではあまり見かけないみかんです。
糖も酸も多いので、濃厚な味が楽しめます。
カラマンダリンの仲間に、「南津海(なつみ)」という品種もあり、ほとんど違いがないので、同じ名前で流通することもあるようです。

品種
カリ (カリウム) 植物の栄養の三大要素のひとつ。
植物の成長、生命の維持には、窒素・リン酸・カリの三大要素が欠かせません。
そのために、年に何度も肥料を与えるのです。
窒素は、植物体内のたんぱく質や葉緑素、酵素などの構成物質として無くてはならない物質です。
葉っぱの緑化を促進し、光合成にも重要なはたらきをします。
リン酸は、光合成をはじめ、さまざまな物質の合成や、エネルギーの代謝に必要な物質の材料だといわれています。
カリは、その明確なはたらきは解明されていないようですが、植物の細胞の生理作用を調整するはたらきがあるとされています。

栽培
カロテノイド 柑橘の皮などに含まれる色素のひとつです。
特に温州みかんに多く含まれる、「βクリプトキサンチン」は、抗酸化作用や、発ガン抑制作用があると言われています。 

その他
河内晩柑 (かわちばんかん) 文旦の仲間ですが、皮は簡単に手でむけ、果肉はとてもジューシーです。
春から夏にかけて、美味しく食べられます。
普通の河内晩柑は、黄色い皮ですが、紅色がかった色の、「紅河内晩柑」もあります。

品種
潅水 (かんすい) 雨が少ない時などに、人工的に畑に水をやる作業です。
スプリンクラーでできるはたけもあれば、ホースで水を撒く畑もあります。
畑や木の状態に合わせ、雨の量に換算すると、5〜20mmの降雨の程度の水をかけることが多いです。 

栽培
間伐 (かんばつ) 混雑して日当たりが悪くなったりした木を切ってのける作業です。
みかんの木は、苗木を植えてから 実がなるまで数年かかり、木が大きくなって実がたくさんなるには、もっと年数がかかります。
木が小さい時には木1本あたりの収穫量が少なく、収入の確保の為に、最初は苗木を多めに植えておきます。
それから数年経って木が大きくなってくると、木が混雑し、日当たりが悪くなったり、作業効率が悪くなったりしてきます。
そうして間伐した結果、、適当な大きさの木を、適当な間隔で栽培できるように、はじめから計画的に多めに苗木を植えておく栽培方法を、「計画的密植栽培(けいかくてきみっしょくさいばい)」と呼びます。

栽培
甘平 (かんぺい) まだ愛媛県内でしか栽培が許されていない、新品種のみかんです。
西之香と不知火を交配させてできた品種です。
形が非常に偏平(ひらべったい)で、とても甘いので、その名前が付けられました。
夏みかんを平べったくした程度の大きさです。
皮は非常に薄くて手でむけ、中の袋ごと食べられます。
2月頃から美味しく食べられます。 
愛媛県果試第28号(通称名:紅まどんな)と共に、愛媛県を代表する高級柑橘として、これからの栽培・販売が期待されています。

品種

【き】

   
キコク みかん科の木で、トゲが多くあります。
みかんの苗木の台木に使われます。
まずキコクを茎が鉛筆程度の太さになるまで育てた後、それに育成する品種のみかんの芽を接木して、苗木に生育させます。

 
栽培 
清見 (きよみ、清見タンゴール)) 温州みかん(宮川早生)とトロビタオレンジを交配させてできた品種で、清見そのものも美味しいのですが、せとか、デコポン、はるみ、姫小春などの新しい品種の育成のための交配にも使われています。

 
品種
切り返し剪定(きりかえしせんてい) 剪定をするとき、枝の根元から切るのではなく、枝の途中から切る剪定の方法。
切った付近から、新芽が出やすくなります。
【反対語 : 間引き剪定】

栽培

【く】

   
クエン酸 みかんの酸っぱさの元です。
疲労回復やダイエットなど、多くの効果が期待されます。

 
その他
くくりワナ 有害鳥獣を捕獲するためのワナの一種。
ワイヤーで作った輪の中に足を入れると、輪が絞まって逃げられなくなるタイプのワナです。
ワイヤーの太さや、輪の大きさなどに制限があり、設置には狩猟免許が必要です。

 
その他
草刈り (くさかり)) 畑に生えた雑草を、カマや草払い機で刈る作業です。
畑に草が生い茂ると、地面の温度が下がって作物の生長に影響が出たり、肥料を雑草が吸収してしまったり、様々な悪影響が考えられます。

栽培
草刈り機(草払い機) 先端に草を刈るための刃がついており、エンジンまたはモーターで刃を回転させ、草を刈る機械です。
刃には、2枚刃、3枚刃、4枚刃、8枚刃、チップソーなどがあり、刃が少ない方が軽くて作業も早い傾向にありますが、刈った草や土、小石などが自分の方に飛散してくることが多く、作業には危険を伴います。
また、乗用型の草刈り機もあります。

 
栽培 
草削り (くさけずり) 草を「刈る」のではなく、クワなどで地面から根こそぎ削ってしまう作業です。
草刈りよりも労力は多くかかりますが、根こそぎ削ってしまうので、次にまた生えてくるまでの時間は長いので、作業の回数は少なくて済みます。

栽培

【け】

   
計画的密植栽培 みかんの木は、苗木を植えてから 実がなるまで数年かかり、木が大きくなって実がたくさんなるには、もっと年数がかかります。
木が小さい時には木1本あたりの収穫量が少なく、収入の確保の為に、最初は苗木を多めに植えておきます。
それから数年経って木が大きくなってくると、木が混雑し、日当たりが悪くなったり、作業効率が悪くなったりしてきます。
そうして間伐した結果、、適当な大きさの木を、適当な間隔で栽培できるように、はじめから計画的に多めに苗木を植えておく栽培方法を、「計画的密植栽培(けいかくてきみっしょくさいばい)」と呼びます。

栽培 
形成層 (けいせいそう) みかんの木の、木質部と樹皮の間の部分です。
根から吸収された栄養分は、この形成層を通って葉や花に送られます。
また、接木を行う場合には、この形成層が露出するまでナイフで削り、そこに新しい芽を接ぎます。
ゴマダラカミキリの幼虫は、この形成層を食い荒らすので、木に養分が行き渡らずに、木が枯れてしまいます。

 
栽培 

【こ】

   
石 (こく) 体積の単位。
主に農薬をうすめる水の体積を表すのに使用されます。
今では、「リットル」が多く使われますが、昔からの名残で、「石」を使うこともあります。
1石は、およそ180リットルです。

その他
黒点病 (こくてんびょう) 果実の皮の表面に、ソバカスのような黒い点々ができる病気です。
枯れ枝に菌が繁殖し、雨でそれが流れて葉や果実に付着して発症するとされています。
防除には、ジマンダイセンやエムダイファーなどが効果的です。
河内晩柑やせとか、土佐文旦などは、特に黒点病に感染しやすい品種です。

病害虫
極早生温州みかん(ごくわせ) 温州みかんの中でも、特に早くから収穫できるみかんの種類です。
極早生温州みかんにも、日南1号、日南の姫、大分早生、岩崎早生、広島早生、上野、 など、さまざまな品種があります。

品種
小夏 (こなつ) 日向夏の別名。
宮崎県で発見された品種で、ユズの突然変異ではないかと言われています。
しかし、その果実は酸っぱいユズとは全く違い、爽やかな風味で大変おいしいです。
また、アルベドとよばれる、皮と中袋の中間の白いフワフワの部分にほのかな甘みがあり、アルベドの部分が残るように、りんごのようにナイフで皮を薄くむき、果肉と一緒に食べると美味しいです。
他にも、ニューサマーオレンジなどの呼び方があります。

品種
ゴマダラカミキリ虫 成虫が木の根元付近に卵を産みつけ、そこでかえった幼虫は、みかんの木の根元を、グルッと一周喰い進み、木を枯らしてしまいます。
成虫は枝などの皮を噛んで、枝が枯れるなどの被害もありますが、
幼虫ほどの被害ではありません。
しかし、木の皮の中にいる幼虫を退治するのは、木を傷めたり労力がかかるので、まずは成虫を防除し、卵を産ませないことが重要です。
成虫の防除には、モスピラン、アドマイヤー、スプラサイドなどが効果的です。

 
病害虫 

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